グループ会社で入札に参加する際に、注意が必要なのが、関係会社の入札制限です。どの発注機関においても原則設けられている制度のため、入札参加をしている事業者は、内容をきちんと理解しておく必要があります。本記事では、関係会社の入札制限について、わかりやすく解説をしていきます。
関係会社の入札制限について
入札は、国や自治体などが、民間業者に仕事を発注する際に、不特定多数の候補者を募り、最も優れた(安価な)提案をした候補者と、契約を結ぶ仕組みです。公共事業は税収を財源としていることから、特定の企業の利益になるような発注は厳禁であり、入札において公平性の担保は極めて重要な課題になります。
この公平性を担保するために、入札は原則として、1企業1入札としなければなりません。その為、資本関係や人的関係がある会社同士(親会社と子会社など)は、関係会社として事実上同一会社とみなされ、一方の会社が参加している入札には、もう一方の会社は参加できないルールが設けられています。これを、関係会社の入札制限と呼びます。
関係会社とは
同一の入札への参加が認められない関係会社とは、どういった関係性を持つ会社同士が該当するのかを見ていきましょう。大きく分けて資本関係と人的関係がある会社にわけられます。
①資本関係がある会社同士
親会社と子会社の関係にある場合(いわゆる孫会社も含む)や、親会社を同じくする子会社同士の関係にある場合は、関係会社とみなされ同一入札への参加が制限されます。
会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの
株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるもの
②人的関係がある会社同士
一方の会社の役員が、他方の会社の役員を兼ねている場合や、一方の会社の役員が、他方の会社の管財人を兼ねている場合は、関係会社とみなされ同一入札への参加が制限されます。
グループ会社で入札に参加する場合の注意点
グループ会社で同じ発注機関の入札に参加している場合は、同一案件への入札は、関係会社内で1社しか認められないことに注意しなければいけません。もし、2社以上が入札に参加していた場合、その入札は無効となります。なお、同一案件への入札が認められていないだけで、同じ発注機関の入札参加資格を取得することは可能です。
※入札参加資格について詳しく知りたい方は「入札参加資格とは?」を参照ください
まとめ
以上、ここまで、関係会社の入札制限についてご紹介してきました。グループ会社で入札に参加されている事業者様は、グループ間で入札状況を共有し、入札が無効になってしまわないよう、管理を徹底するようにしましょう。